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2007年 03月 02日

アラトリステ@オーストラリア

メルボルンで開かれているスペイン映画祭La Miradaでアラトリステが2日と10日に上映されるのですが、それに関連してヴィゴの記事が上がってきています。

異端審問を越えて
Theage.com.au 2007年3月2日
文:フィリッパ・ホーカー
ヴィゴ・モーテンセンは新作のために17世紀のスペインに浸り込んだ。

ヴィゴ・モーテンセンはある映画を布教している。新作アラトリステに関する話を広めようと熱心なあまり、時間がなくなり飛行機になんとか乗らなければならないときでも、チェックインに遅れがあれば電話をかけ返してくる。言いたいことがあまりにたくさんあるからだ。

ACMIのLa Miradaスペイン映画祭で上映されるこの映画はスペインで作られ、スペイン語だ。それをモーテンセンは流暢に話す。これは驚異的によく売れている歴史小説シリーズが原作であり、母国では大ヒットした。今モーテンセンは世界中に観客を広げようとしているが、海外市場の鈍い進展状況に少々イライラしている処ではない。

彼はアラトリステのあらゆる面に関して情熱的だ。映画自体、その主人公、そしてそれを作る経験だけではなく、歴史と文化に関してそれが言っていることについてもだ。モーテンセンが悲しそうに言うには、誰でもスペインの異端審問について聞いたことがある-たいていモンティ・パイソンやエロール・フリンのアクション大作を通じて-が、ほとんどはそこが17世紀のスペイン帝国に関する一般知識の始まりで終わり。決まり文句だ。

スペインでさえ、状況はそんなに変わらないと彼は言う。

アラトリステはアルトゥール・ペレス=レベルテの小説「the Captain Alatriste」の最初の5巻からの材料を使っている。そのうち2巻は英語に訳されている。17世紀前半の軍人で、軍を出てから金で使える剣となった主人公の冒険を中心に話は展開する。

アクションと剣術、戦闘などアクション大作の要素がある。そしてこの映画の殺陣のボブ・アンダーソンは『ロード・オブ・ザ・リング』にも係わっている。しかし、キャラクターや個人の関係や、芸術、陰謀、宮廷政治などに関してもかなり描かれている。

「もし私がこの映画と登場人物そして彼らの軌跡やジレンマをまとめる言葉を一つ選ぶとすると、それは誇りだ」とモーテンセンは言う。「それはこの国、この登場人物たち、そしてその複雑な関係にも当てはまる。彼らはその誇りゆえに美しく、その誇りゆえに悲惨だ」

映画の始まりで、アラトリステは死にゆく兵士の若い息子の面倒を委ねられる。彼はこの責任を真剣に捉え、できるかぎりこの少年を育て、彼が芸術や文学のよさもわかるようになるようにとも努力する。彼は少年に軍人の宿命を背負わせたくなかったのだ。アラトリステは美しい女優と関係を持っている。アリアドナ・ヒル(「Pan's Labyrinth』の母親役)演じる彼女は彼を愛しているが、野心的だ。

アラトリステの良き友の1人は詩人のケベード。歴史上の人物だ。Juan Echanoveが素晴らしい演技を見せているとモーテンセンは言う。この映画で素晴らしいことの一つは、キャストのサイズだと彼は言う。「通常このように多くの素晴らしい俳優や女優とともに仕事をしようと思えばスペインでは半ダースぐらいの映画を作らなければならない」

キャストには他にもBlanca Portilloがいる。ペドロ・アルモドヴァルの『帰還』で短い髪の隣人としてみることもできる彼女は、面白いひねりで、異端審問所の者、男性を演じている。その演技はどこかあいまいで興味をそそるものがある。このキャスティングにはスペインで批判があったが、モーテンセンはこれは監督の、異なったふうに物事をしよう、陰で力を行使する役を表現するのにあまり明らかではない方法を見つけようとする意欲の例だとみなしている。

スペインですでに2本の映画を撮っているモーテンセンは11歳までアルゼンチンに住んでいた。しかしアルゼンチン訛りのスペイン語を、その時代と役に相応しいものにするためには努力しなければならなかったという。アラトリステとその出身について調べることの一つとして、彼は信憑性をもたせる手助けとなるような場所を探しに出た(ペレズ=レヴェルテに初めに相談してから)。

「スペインの中央北部、レオン州の山岳地帯の北に見つけた。そこの人々はこの役のようなんだ。ちょっと用心深くて、あまり話さず、リズムは遅めだ。こういった街の一つに入っていってバーに歩いてはいると、セルジオ・レオーネの映画に要るように感じる。入っていくやいなやみんな口を閉ざしてしまう。誰かが話しかけてくるようになるまでには何日間かの間に何度もそこへ戻る必要がある」

そして、この時代への理解を深めるために、彼は歴史、詩、戯曲など幅広く読んだ。結局この時代はスペイン文化が驚くべきほど花開いた時期なのだ。劇場は広く価値を認められておりマドリッドの人々はいかに貧しくあろうとも毎日劇場へと足を運んだとモーテンセンは言う。この映画はスペインではシェイクスピアにあたるロペ・デ・ヴェガやカルデロンの期間なのだ。

モーテンセンは芸術も捜し求めた。ギャラリーを訪れ、プラドやもっと遠くまで行った。その時代のフランドル・オランダアートも見たかったのだ。最高のフランドル・オランダコレクションの一つはデンマークにあるため、そこにも行ったという。ベラスケスの作品はこの映画のデザインとライティングの基礎だ。アラトリステの監督、アウグスティン・ディアズ・ヤネスは映画製作者になる前には17世紀の歴史と芸術を専門にする学者であった。

研究と発見をする機会があることが、演じることに関して感謝することだとモーテンセンは言う。彼の仕事は「仕事を手にすることができるぐらい幸運であった後にそれをどう判断するかということ」だ。

演技のディテールだけじゃなく、もっと多くのものなのだ。

「マンネリズムに集中したいのか、それとも広がり続けたいのか」 アラトリステのような映画を撮ることは「専門分野の大学へ行って報酬をもらうようなものだ。私にとって素晴らしい勉強になった」

モーテンセンはディアズヤネスと再び仕事をしたいという。現在のところ彼はディヴィッド・クローネンバーグ監督と2回目の映画『Eastern Promises』の撮影を終了したばかりだ。クローネンバーグは素晴らしい巻億で「ますますよくなっている」と彼は言う。

「みたらちょっと驚くと思うよ。物語映画としてちょっと野心的なものだ。ここ数年一緒に仕事をする監督や俳優に関してとてもラッキーだった。3回目も一緒に仕事がしたいね」

嬉しいことに彼とクローネンバーグが映画ヒストリー・オブ・バイオレンスのプロモーションでスペインへ来たとき、アラトリステの監督ディアズ・ヤネスとクローネンバーグをあわせることができた。2人の監督は似たようなダークなユーモアのセンスを持っていて気が合うとわかっていたそうだ。

会話の最後にもう一つモーテンセンが付け加えたかったことがあった。彼は長くメルボルンに住むある人にお祝いの気持ちを伝えたかったのだ。彼の挨拶-とスペインのアカデミー賞候補にあがったことへのお祝いの言葉-はアラトリステの主任メイクアップ、ホセ・ルイス・ペレズへのものだ。彼はEast Bentleighに住んでいて、『ロード・オブ・ザ・リング』でも一緒に仕事をした。ペレズとその家族がホームタウンで映画を見ることができることを喜んでいる。今彼はそれがさらに遠くまで旅できることを手助けするために何でもしたいだけなのだ。

アラトリステは「La Mirada、スペイン映画の宝石」の一環としてACMIで今夜と3月10日に上映される。
ということでだんだん英語圏でも始まりましたね。残念ながらまだ映画祭レベルですが。日本でもスペイン映画祭とかしないのかしら?

by miyelo | 2007-03-02 01:41 | アラトリステ


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