Words of VM

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2005年 11月 09日

ジャーマン・ドリーム・プロジェクト(3)

放置してあった2DFheute.deでのヴィゴのインタビューの続きです。
演じることはあなたが世界とコミュニケーションをとる方法だと何度も言っていますが、近頃私たちが人として、国としてとるコミュニケーションに欠けていることはなんだと思いますか。

ヴィゴ: うーん、多くのコミュニケーションがとられているけど、コミュニケーションって何なのだろう。ほら(笑)、何世紀も見てきたように、組織化された宗教の危険性は、隠喩として意図されたこと、寓話や生きることの見本として意図されたことを、文字通り、そして多くの場合は一言一句そのままに、受け取ることだと思う。日常生活の一部であるべきなんだ。静かに歩くとか、物を壊さないとか、敬意をこめて話すとか、他の人を傷つけないとか。アメリカの自分たちの政府から、平和や思いやり、それとかさ(笑)、近隣とか、倫理的価値なんて言葉を聞く。交わされる多くの良い言葉を耳にするけど、その後ろにはあるものをとても少ないようなんだ。人生は、ある程度まで、まさにもがくことだ。2人の人間の間のあらゆる関係と同じように、民主主義をうまく機能させるためには、思いやりや民主主義、自由や解放、同胞愛、平等なんて言葉を言っているだけじゃダメなんだ。こういった言葉はそれを意味するわけじゃない。それはプロセスなんだ。観念的に終わりのないね。自分の国についてや、自分の妻や夫、ガールフレンド、ボーイフレンド、息子、娘、友達について、彼らがこうであると、彼らが固定したものであると、口にすればすぐに、決めてかかればすぐに、その人やコミュニティと自分との関係を萎ませたり死なせてしまったりするよう招くことになる。宗教的指導書や聖なる本に言葉が書かれたときと同じようにね。何かを書き留めるとすぐに、それらの言葉は死に、その言葉たちは再興されなければならない、再解釈されなければならない、いつでも新たに適用されなければならないんだ。自分自身を食べさせなければならないように、水が必要なように、可能であれば歩かなければならないように。自分自身の精神も心も働かせなければならないんだ。
すっかり間が空いてしまいましたが、再開です。 

by miyelo | 2005-11-09 00:29 | ヴィゴ訳 | Comments(10)
Commented by 空知 at 2005-11-09 07:03 x
Misaさん、翻訳ありがとうございます。ラスト数行がことに素敵です。ヴィゴにとっての言葉(の再構築)とは体に与える水のように必須であり、透明で新鮮な行為なんですね。そして最初の方は今のアメリカ政府のことキリスト教義への意図的な狭い解釈について語っているのでしょうか。この訳は語り口がやわらかくして下さっているのでかえっていろいろと考えることが出来ます。…ところでブリジットが亡くなったというのは本当でしょうか?
Commented by RIRI at 2005-11-09 07:30 x
Misaさんおはようございます
心待ちにしておりました、お忙しい中の翻訳ありがとうございます!!
朝から良いもの読ませて頂きましたです。
おかげで今日は元気にお仕事できそうです♪
Commented by mifuyusasa2 at 2005-11-09 08:50
Misaさん、おはようございます。
ヴィゴが言っているのは、
ラベリングの危険さ
のようなものでしょうか。
言葉の陥穽 について、ヴィゴはとても敏感な感じがします。
詩を書く人だからでしょうか、やっぱり。
空知さんがおっしゃっているように、ラストの言葉が印象的です。
Commented by かづちゃん at 2005-11-09 18:23 x
こんにちは♪

翻訳の再開、お待ちしておりましたので嬉しいです。
有難うございます。(*^▽^*)

いつもは難解なViggoの言葉ですが、
今回のはとてもよくす~っと心に入ってくる感じがいたしました。
努力の人ですね、Viggoって・・・。
そして人に優しい。
改めて器の大きい人だと、思います。
Commented by miyelo at 2005-11-09 23:40
空知さん、こんばんは。
ラスト数行、素敵ですよね。ヴィゴの言葉っていつも考えさせられます。
最初の方は、書かれた言葉に執着することの危険性ですよね。現在のアメリカにおける狭量なキリスト教の危険性も含んでいると思いますが、全般的に組織的な宗教における危険性のことだと私は思いました。
語り口ですが、ヴィゴの語り口がかなり平易で柔らかな感じに聞こえたので、訳もちょっと柔らかめにしています。
ブリジットに関しては、デンマークの雑誌の記事が出所のようですね。長年飼っていた犬が死んだというようなことが書かれていたようです。
Commented by miyelo at 2005-11-09 23:41
RIRIさん、こんばんは。
すみません、ずっと放置したままで、気になっていたのですが。
父も退院しましたので、通常モードにもうすぐ復帰できると思います。
Commented by miyelo at 2005-11-09 23:44
三冬さん、こんばんは。
そうですね。ラベリングの危険さについて言っていると思います。
ヴィゴは本当に言葉を生きているものとして捉えていると思います。
訳すときも思うのですが、色々ある訳語の中から選ぶとき、他の意味合いを消してしまうことの怖さをいつも感じます。
Commented by miyelo at 2005-11-09 23:46
かづちゃんさん、こんばんは。
お待たせしています。今回は平易な言葉を選んで話していると思いますよ。やはり、ネイティヴじゃない人、そしておそらく若者が聞くことを前提として選んでいるんでしょうね。
Commented by spring at 2005-11-10 07:25 x
Misaさん、お父様退院おめでとうございます。 そして邦訳再開、ありがとうございます。
でも、無理なさらないでくださいね。

>民主主義をうまく機能させるためには、……言葉を言っているだけじゃダメなんだ。
これ、今の日本の政治にもあてはまると、思いました。
いくら「二度と戦争はしない。」と言っても、実際の行動が…。近隣の国と
コミュニケーションがとれていませんよね。
ヴィゴの言葉って的確で、そして詩人だなって何時も思います。

Commented by miyelo at 2005-11-13 20:36
springさん、こんばんは。
ええ、このヴィゴのインタビューは色々日本にも当てはまることがありますよ。相手が嫌がることを繰り返しながら、仲良くしようと言ってもね。
ヴィゴ、詩人ですよね。言葉とそしてその意味を大切にしていると思います。ヴィゴの言葉が少しでも伝わっていると嬉しいです。


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