Words of VM

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2005年 07月 16日

ジョン・ハウ画集序文(2)

許可なく入り込むのはいけないことだ、立ち去るべきだとすぐに感じたにもかかわらず、完成への様々な段階にある作品で雑然とした比較的小さな部屋から受けた最初の衝撃はあまりにも強く、只々その場、開けたドアの内側に立ち尽くし、2、3分であったであろう間、驚きをもってみていたのだ。息を呑んでいたのに気づき、息を吐きだしながら彼らの隣り合った机にもう一歩近づいたのを覚えている。もし私が既に絵を描くことに興味を持っている人間でなかったとしても、私を取り囲み、実質的に壁と机のスペースの隅々までと、もちろん床のかなりの部分を埋め尽くすアートワークと道具の純然たる分量と多様性に畏敬の念を起こしただろう。そこはめちゃくちゃだとは言い切りがたかったものの、見事に散らかっていた。壁にテープで張られたり、床に転がっていたりしていた数多くのシーンのスケッチや絵、詳細な習作の中には、既に撮影したわずかの場所がいくらかと、これから見るであろう、この先何年も親しく知るであろうずっと多くのもの見受けられた。そこにあったのは、我々が乗り出した壮大な旅の要素の、忠実で、包括的で、きめ細かに的確な光景だった。まだ一部分は不完全なスケッチの「そこになかった」ものが、ロリアンや風見が丘、躍る小馬亭の完成した図と同じぐらい私の創造力をかきたてた。トールキンが生み出したものの文学的・神話的源のあまり明白ではない層に対する高まる興味を経験し始めていたのと同様に、ジョンのスケッチの、ページの端に向かって消えていったり、白い紙に不意に消えたりしている部分に、私は即座に引き込まれているのがわかった。私は誘われていると感じた。私の心がその絵を完成させ、その先へと行った。絵の残りの部分がどんな風なのか、その前やその後に何がくるかもしれないのか想像しながら。

(続く)

ヴィゴ・モーテンセン
日本語訳:Misa(Miyelo)

by miyelo | 2005-07-16 22:54 | ヴィゴ訳


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