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2005年 02月 06日

シャープのヒダルゴ

『シャープ』の原作を今作品の中の時系列で読んでいます。すっごく面白いです。単語は見たことないようなものがバンバン並んでるんですが、とにかくpage-turnerと呼ばれる所以がわかります。とにかくシャープが魅力的で。色々悩んだり、あくどいこともするんですが、根が能天気なのか実にあっけらかんとしてます。とにかくシャープに会うと、みんなシャープを大好きになるか、敵になるかです。

Sharpe's Tiger (1997) (1799年 22歳)  インド 兵卒→軍曹
Sharpe's Triumph (1998) (1803年9月 26歳) インド 軍曹→少尉(ensign)
Sharpe's Fortress (1999) (1803年12月 26歳) インド 少尉(ensign)
Sharpe's Trafalger (2000) (1805年10月 28歳) インド→トラファルガー→イングランド 
Sharpe's Prey (2001) (1807年 30歳) イングランド→デンマーク 少尉(second lieutenant- Riflesに入ったため。Riflesはensignがなくてsecond leiutenantが一番下の将校)
と来て、今
Sharpe's Rifles (1988) (1809年1月 32歳) スペイン 少尉
です。

このSharpe's Rifles はTVのシャープシリーズ第1話『Sharpe's Rifles』の原作となった作品。原作者のコーンウェル氏はシャープシリーズを既に書いていたのですが、TV化案がでて、既存の本よりも前のシャープを書いてほしいと頼まれ、この作品を執筆します。
つまりこのときはまだシャープ=ショーンじゃないんですよね(これより以前の時代、TigerからPreyまではシャープ=ショーンのイメージで書いてます)。

今このRiflesを読んでいる最中なのですが、何でここで書いてるかというと、この中でHidalgoという言葉が出てくるんです。スペインの大佐(スペイン辺境の領主の息子です)と知り合うのですが、その彼が自分のことをHidalgoだと言う。で、シャープはその言葉を知らないので、「Hidalgo?」と訊きます。大佐はシャープの無知への驚きを礼儀正しく隠しながら、教えてくれます。
Hidalgoは「スペインの古えのクリスチャンまでその血統をたどることができる人」だそうです。「ムーア人の血もユダヤ人の血もまった含まれていない純血(pure blood)」で、この大佐はそれを誇りにしています。(英和でHidalgoをひくと「スペイン下級貴族」と出てきますが、これはこういった人たちがmain streamじゃないからだと思われます。)

そうか、ヒダルゴってそういう意味だったんだ。

ところでSharp's Preyは舞台がコペンハーゲンなのですが、この中で家の中に爆弾が飛び込んできたデンマーク人アーティストの描写があります。
1人のアーティストが紙やら鉛筆やら墨やらをあわてて集めてるところに、小さめの砲弾が屋根から飛び込んできて、整えられていないベッドのとなりへ落っこちて煙を上げている。彼は、その砲弾の上に、昨日の晩から捨ててなかったおまるをひっくり返して消しちゃいます。導火線はジュって消えますが、ひっどい臭いが。
何かヴィゴで想像できません?イギリス軍に包囲されてるのに、能天気に絵を描いていて(いや将軍に始まってデンマーク人全般に砲撃なんかないよ~と能天気にしてましたが)、砲撃が始まったもんだからアタフタと片付けるところも。

Preyではシャープが育ったイギリスの孤児院とコペンハーゲンの孤児院が出てくるのですが、そのあまりの雲泥の差に。シャープ君も愕然としていますが、なんとなく理解が出来ます。北欧とイギリスの違いというのは今でもあると思う。

by miyelo | 2005-02-06 22:41 | 雑記 | Comments(0)


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