Words of VM

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2004年 12月 28日

The Best American Nonrequired Reading 2004 序文(10)

アメリカ主導のいわゆる「有志連合」によるイラク侵攻が明らかに差し迫っている状況に世界が身構えている最中で、ばかばかしいほどの星明かりの空のもと北アフリカの砂丘ののどかな静寂の中にすら、緊迫感の高まりが感じられた。モロッコ人、スペイン人、フランス人、イギリス人、そしてアメリカ人の仲間たちと一緒に一日中太陽の下馬上で働く効果と共に、それがおそらく毎晩私を、比較的静かで歓迎される孤独の中座って熱心に殴り書くという普通ではない精神状態に押しやったのだろう。私は旅日記モードに入ろうというのではない。ただ私が幸運にもいることのできた場所と時間、多くのエネルギーとインスピレーションをくれた場所と時間を簡単に書き留めたかったのだ。私が目を向けるところにはどこにでも言葉があった。夢を満たし、全てのものの名前を私に与えながら。それらに遅れずに付いていくために出来る全てだった。私を通り漂い、時々雲から、私の目からテーブルへ、私のひざへと落っこち、馬たちのたてがみに絡まっているところをいくつか捕まえる。言葉のほとんどは、通常そうするように、逃げてしまったが、夜には定期的になんとか一束にまとめることができた。その経験からでてきた多くの手書きの詩は、カリフォルニアの新しい家にもどったら取り組むことを一番楽しみにしていたものだった。だからそのノートが入ったバックパックが車いっぱいの所持品の一番上においてあり、助手席側の窓に持たれかけられ、通りすがりの潜在的な泥棒から丸見えだったのだ。おそらく5分目を離した間に、永遠になくなってしまった。

ヴィゴ・モーテンセン
『The Best American Nonrequired Reading 2004 』より

日本語訳:Miyelo

by miyelo | 2004-12-28 00:06 | ヴィゴ訳


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