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2007年 02月 01日

モラルの問題

みたいみたいと思っていた『不都合な真実』と『ダーウィンの悪夢』を見てきました。

初めに見たのが『不都合な真実』。レディースデイに見に行ったら、いっぱいでした。というか、ミント神戸がいっぱい。びっくり。満席続出。
ゴア元副大統領の講義といった構成で、彼のパフォーマンスという面もあるかもしれませんが、それでも見る価値があると思います。様々なデータや例を出しながら、実にわかりやすく、地球温暖化がいかに大きな問題で今すぐ対策をとらなければ取り返しが付かないこと、そして、まだ今なら間に合うことを示していってくれます。

その中で一番そうだなと思ったのが、これが「モラルの問題だ」ということです。
私たちの生活は便利で、一旦便利な生活になるとそれを下げることは考えたくない。自分のレベルは下げない、自分の利益は追求したい、だから、この問題に目をつぶる、なかったことにする。もっと酷い人がいるから、私なんてたいした悪影響は与えていないから、私だけがしたって仕方がないから、という気持ちがだめなんだなと。そう思えるだけでもこの映画には価値があると思います。

モラルの問題といえば、『ダーウィンの悪夢』。
ヴィクトリア湖に外来魚が放たれ、それが巨大産業になり、その影で餓える人々がでてくる。もちろんこちらも監督の目線で切り取った映画で、違う見方もあると思いますが、出てくる多くの人の惨状はいい面があるとしても受け入れがたいです(監督の意図とは違うようですが、とりあえずナイルパーチ絶対に食べられない。ボイコットする気はありませんが、あんな映像を見たら食べられない・・・)。何か変化があればそれで儲ける人が出る。いわゆる勝ち組の人たち。彼らは自分が勝つために、悲惨な現状に陥る負け組の人を作り出す。映画の中では「ジャングルの法則」だといわれてましたが、正しく弱肉強食。ジャングルの方がまだ自分の食べる分だけなのでずっとましだと思いましたが。

映画の中でロシア人(というかウクライナ人かな?)のパイロットたち(ヨーロッパに魚を運び、ヨーロッパから武器を持ってきているのでは?と示唆されている)が出てくるのですが、彼らも生きるためにこの仕事をしている。家族とは別々に暮らし、それでも仕事がないよりましだからこの仕事をする。そして被害者を出すことには目をつぶる。

以前知人が中国の工場に冷凍食品を製造させている現場の視察に行ってきて、その状況が悲惨だという話をしていました。じゃあ、君は加害者じゃないのか?でも自分も生活するためには仕方がないという。そうやって仕方がないと言って、自分に言い訳をする。もちろん言い訳することもなく負け組が悪いんだで済ませる人たちや、意図的に相手を陥れる人たちよりはましだとは言っても、そこに「モラルの問題」がある。耐震偽装も談合もふじやも同じ問題なのかな。悪いことだとはわかっていてもそれをしなければ自分の死活問題。飲酒運転をしようとする上司を保身のために止められない。事故が起こったとき、自分の責任は?仕方ない?工場で期限切れのミルクを使うのも上司に言われたら仕方ない?相手のミスに付け込んで巨額の利益を得るのはいいの?

他者が不幸になっても構わず自分の利益を追求する人たち。そういった人たちは本当に嫌ですが、「仕方がない」でモラルを無視している人はどうなのだろうか。そして、自分の行動も振り返る必要があると思わされる2本でした。

by miyelo | 2007-02-01 22:04 | 雑記 | Comments(8)
Commented by かとう at 2007-02-01 22:53 x
大学教員の高給は専業非常勤の悲惨な労働の上に成り立っている、という話を思い出しました・・・・。
Commented by mifuyusasa2 at 2007-02-02 15:27
Misaさん、こんにちは。
混んでるんですね、映画。話題になっていますものねー。
不都合な真実、アル・ゴアの本の分厚いのが出ていますね。
映画を見に行けそうにないのでそっちを読もうかと思っているんですが、買うほどかなあ・・・とも思ったりしています。
(DVDは必ず見ようと思っています)
ブラックバスの問題は日本でも深刻ですが、日本では貧困とか階級格差につながっているわけではないので素通りしてしまうんでしょうか。
人間の都合で生態系のバランスが崩れ、多くの人々を追い詰めることになるのは困った問題ですね。
Commented by miyelo at 2007-02-02 20:29
専業非常勤も分野によりますね~。うーん、うちの分野の常勤教員、あまりにハードワーク(じゃない人もいますが)に、もうちょっとあげてもいいんじゃ?と思っております。いや、もちろん非常勤の待遇はあげるべきだと絶対に思います。だって、時給はいいですが、コマ数がどれだけ持てるのかと。思いっきり不安定ですしね。
Commented by かとう at 2007-02-02 20:43 x
私も来年度は1コマだけ非常勤をやることになりましたけど、非常勤は洒落というか、収入源として見ないですね。半ばボランティアのつもりで。
Commented by miyelo at 2007-02-02 20:53
三冬さん、こんばんは。
ダーウィンの方は映画の日にもかかわらず20人ぐらいでしたが。
ゴアの本はちょっと分厚すぎて・・・
ブラックバスの場合は美味しくないので産業にも育たないのでねえ。しかし私はキャッチ&リリースはどうかと思うんです。知人にバス釣り好きがたくさんいたのですが、バス釣りはとても面白いそうです。とにかく「釣る」のが面白い魚だとのこと。しかし、遊ぶためだけに傷つけるのはどうなんでしょう。リリースすることで自分の罪悪感は薄れるのかもしれませんが、食わないのなら釣るな!と思います。私はバス釣りの人より、アオリイカ釣りの人のほうが好きです。だって、美味しいんだもの。
Commented by miyelo at 2007-02-02 21:00
1コマだけの非常勤であれば生活の糧ではなく、趣味の域ですね~(笑)。
私の場合は、そうなったら転職です・・
Commented by moana_kapua at 2007-02-03 00:51
こんばんは。
丁度Newsweek Internationalに
地球を救う7つの方法、って記事があったので、つい買ってしまいました。で、その後、ウェブで全部読めるのを知りました(笑)
http://www.msnbc.msn.com/id/16725521/site/newsweek/
多分ゴアの方の映画とかぶる部分が多いと思います。
私は映画はまだ見ていないのですが(行く時間がなさそうです)。

環境問題って人に話すのムツカシイんですよね。
映画によって少し日本の意識がかわってくれるといいなぁと思います。
Commented by miyelo at 2007-02-03 21:52
kapuaさん、こんばんは。
大画面で見る必要は別にないと思いますので、DVDになったら。
環境問題、何よりもモラルの問題なので、モラルがなければ話にもならないんですよね。でも、変わらなければねえ。


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